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プラスチック及び金属製ストラップで実装する

プラスチック製クリップ

プラスチック製クリップは、IC を低コストで実装できるオプションです。 クリップをネジを使って適切な場所に留め、パッケージの前面に圧力をかけて使用します。 一部のアプリケーションでは、ヒートシンクの温度が 125 °C まで上がる場合があります。そのため、クリップの軟化温度は 150 °C より高くなければなりません。プラスチック製クリップの詳細については、このセクションの参考ドキュメントの欄を参照してください。

 

プラスチック製 eSIP ストラップ
 図 1: プラスチック製クリップ
 
 図 2: プラスチック製クリップを使用して標準的な TO-220 ヒートシンクに実装した eSIP パッケージ
プラスチック製 eSIP ストラップ
 図 3: プラスチック製ミニ クリップ
 
 図 4: ミニ クリップを使用してヒートシンクに実装したパッケージ
  プラスチック製 eSIP EZ ストラップ
 図 5: プラスチック製 EZ クリップ

 図 6: EZ クリップを使用してヒートシンクに実装した eSIP パッケージ
 
 図 7: Single Screw Extended Plastic Clip
 
 図 8: 大型プラスチック製クリップを使用して実装した eeSIP

 

プラスチック製クリップ (ネジ固定式) を使用する実装のガイドライン

穴のサイズ: 標準的な TO-220 ヒートシンク向けに設計 (通常 3.2 mm)
ネジのサイズ: 3 mm (M3) ナベ形ネジ
最大トルク: ネジ締め付けトルクの推奨値は、最大で 1.8 ~ 2.3 lbf • in (0.20 ~ 0.26 Nm) です。

  • ネジ頭とクリップ表面の間にワッシャーを挟まずに済むようにするには、ネジ頭が平らなものを使用します。 凹凸が激しい、使用するネジが小さすぎる、ヒートシンクの穴が大きい等の場合、クリップにひびが入ることがあります。TO-220 パッケージと同様に、ロック ナット、スプリング ワッシャー、ネジ ロック剤の使用は認められています。
  • セルフタッピング ネジは、クリップにかかる力にばらつきが出て、その結果パッケージに対する圧力も均等にならないためお勧めできません。リベットはいかなる環境でも使用しないでください。
  • IC の損傷を防ぐため、ヒートシンク実装面は平らでバリがないものでなければなりません。最後に、必ず先に IC をヒートシンクに実装してから組立部を基板にはんだ付けしてください。 IC とヒートシンクを基板にはんだ付けした後でクリップを取り付けると、IC パッケージに許容範囲を超える機械的ストレスが加わります。
  • パッケージ背面部とヒートシンクの間の熱抵抗を低減するために、熱グリースや熱伝導パッドを使用することをお勧めします。


参考ドキュメント – プラスチック製クリップ
クリップの図面


参考ドキュメント – プラスチック製ミニ クリップ
ミニ クリップの図面
材料の安全データ シート (MSDS)
材料仕様書 (英語)
材料仕様書 (中国語)
RoHS テスト レポート


参考ドキュメント – 大型プラスチック製クリップ
大型プラスチック製クリップ
一軸ネジの大型プラスチック製クリップ
RoHS テスト レポート


参考ドキュメント – EZ クリップ
EZ クリップの図面


ステンレス製クリップ

ステンレス製クリップは、プラスチック製クリップを金属製にしたものです。ネジを使って適切な場所に留め、パッケージの前面に圧力をかけて使用します。 ステンレス製クリップの詳細については、このセクションの参考ドキュメントの表を参照してください。

金属製 eSIP ストラップ
図 9: 金属製クリップを使用してヒートシンクに実装した eSIP


ステンレス製クリップ (ネジ固定式) を使用する実装のガイドライン

穴のサイズ: 標準的な TO-220 ヒートシンク向けに設計 (通常 3.2 mm)
ネジのサイズ: 3 mm (M3) ナベ形ネジ
最大トルク: ネジ締め付けトルクの推奨値は 0.26 Nm (2.3 lbf · in) です。

  • 金属の持つ堅牢性から、金属製クリップをヒートシンクに固定する際の締め付けトルクはプラスチック製の場合と比べてそれほど厳しくはありません (ひび割れの危険性はありません)。 実装点がヒートシンクに密着していれば、パッケージに加えられる力は使用するクリップ設計と金属の関数となります。
  • セルフタッピング ネジも使用できますが、繰り返し使用でき衝撃にも強いことから通常のネジの方をお勧めします。 リベットは、取り付け時にパーツに衝撃が加わるため使用しないでください。TO-220 パッケージと同様に、ロック ナット、スプリング ワッシャー、ネジ ロック剤の使用は認められています。
  • IC の損傷を防ぐため、ヒートシンク実装面は平らでバリがないものでなければなりません。最後に、必ず先に IC をヒートシンクに実装してから組立部を基板にはんだ付けしてください。 IC とヒートシンクを基板にはんだ付けした後でクリップを取り付けると、IC パッケージに許容範囲を超える機械的ストレスが加わります。
  • パッケージ背面部とヒートシンクの間の熱抵抗を低減するために、熱グリースや熱伝導パッドを使用することをお勧めします。


参考ドキュメント – ステンレス製クリップ
ステンレス製クリップの図面
RoHS 適合証明書
RoHS テスト レポート


ステンレス製 U クリップ

もう 1 つの実装オプションとして、U クリップを使用する方法があります。 U クリップはヒートシンクの側面とパッケージの前面にフィットして、パッケージをヒートシンクにしっかりと固定します (図 10 を参照)。さまざまな U クリップをご利用いただけます。


図 10: ステンレス製 U クリップを使用して実装した TopSwitch-HX

 

U クリップは、今日の量産設計でよく利用される実装オプションです。下の 2 つの写真は、量産型インクジェット プリンタの電源で使用されている U クリップを示しています。図 11 は、ブリッジ整流器をヒートシンクに固定している U クリップです。図 12 では、U クリップで TO-220 を固定しています。

入力ブリッジ整流器
図 11: 入力ブリッジ整流器を固定する U クリップ
  TO-220 パワー MOSFET
図 12: 標準的な TO-220 パワー MOSFET を固定する U クリップ


ステンレス製 U クリップを使用する実装のガイドライン

  • サブアセンブリをする際は、U クリップを使用して IC をヒートシンクに取り付けることをお勧めします。
  • このサブアセンブリを基板に取り付けてからはんだ付けします。 これにより、IC とヒートシンク表面の間の平面性が確実に維持されます。
  • 先に IC をはんだ付けした後でヒートシンクを取り付ける方法は好ましくありません。通常 IC とヒートシンクの接触が不十分になり、熱抵抗の増大につながるためです。
  • 量産時には、クリップを挿入するときにパーツとヒートシンクの位置合わせをするためにジグを使用する場合もあります。


耐振動性

振動や機械的衝撃を与えたときの U クリップの位置保持性能を実証するために、Aavid Thermalloy 社製クリップ CLP212SG、CLP212G、及び CL212TG を使用したテスト ボードを IEC-60068 基準への適合確認試験に提出しました。検査対象のこれら 3 つの U クリップはすべて衝撃及び振動試験に合格しました。すべてのテスト レポートはここでダウンロードできます。


 

 

 

 

金属及びプラスチック製クリップのメーカーに関する情報

メーカーお問い合わせ先タイプ品番推奨するヒートシンクの高さ (ノッチなし)
Kang Yang Hardware Enterprises Co., Ltd Nancy Lin
+886-2-2647-6930
nancy@kangyang.com.tw
ミニ PH-3 20 mm
金属
プラスチック
TRK-24
TC-24NNHA
20 mm
Thermshield Thermshield, LLC
PO Box 1641
Laconia, NH 03247
+1 603 524-3714
+1 603 524-6602 (FAX)
sales@thermshield.com
http://www.thermshield.com
プラスチック TS-11042-CY 24 mm


U クリップ メーカーに関する情報

メーカーお問い合わせ先タイプ品番推奨するヒートシンクの高さ (ノッチなし)推奨するヒートシンク壁面の厚さ
Aavid Thermalloy www.aavidthermalloy.com U クリップ CLP212SG 15.5 mm 2.25 mm
CLP212G 24 mm 6.2 mm
CLP212TG 20 mm 4.8 mm