あらゆるものの電化に向けた次のステップ
陸上から水上、そして空まで、交通機関の電化は順調に進んでいます。次は何でしょうか? カリフォルニア在住の場合、あらゆるものの電化に向けた次のステップは、25 馬力 (HP) (19 kW) 以下の内燃機関 (ICE) を電気モーターに置き換えることです。カリフォルニア州で最近制定された法律 AB-1346 では、2024 年 1 月 1 日までに、景観維持のための小型 ICE、および類似の機器の販売をすべて禁止します。
SORE は、今日のより厳しい排出基準をもってしても、依然として大気汚染の最大原因の一つであるため、その対象になっています。カリフォルニア大気資源委員会 (CARB) によると、SORE を搭載した業務用芝刈機を 1 時間使用すると、トヨタ カムリを約 300 マイル運転したのと同じ大気汚染物質が発生するそうです (図 1)。その上、自動車からの汚染は前年比で減少しているのに対して、SOREからの汚染は増加しています。
新法は、ガソリン、液化石油ガス (LPG)、または圧縮天然ガス (CNG) を使用する、小型オフロード火花点火エンジン (SORE) に適用されます。ディーゼルを燃料とする SORE は、規制の対象外です。この規制は、既存の SORE の使用を禁止するものではなく、新しい SORE の購入のみを禁止するものです。影響を受ける機器は、リーフ ブロワーや掃除機などの造園機器、チェーンソー、芝刈り機、高圧洗浄機などを含む、幅広いカテゴリーにわたります。
なぜ今?
この新しい要件は数年前から策定されていたものですが、AB-1346 を今実施するのにはいくつかの理由があります。第 1 に、すでに多くの進展があり、市場がより迅速に動くためのインセンティブを与えるタイミングであると思われます。CARB の以前の調査によると、以下を含む、家庭用芝生、及び園芸機器の 40% 近くがすでに電化されています2:
- リーフ ブロワーと掃除機の 70% 近く
- 刈り込み機、縁刈り機、刈払機の 50% 以上
- チェーン ソーの 30%
- 芝刈り機の 15%
第 2 に、SORE の 77% は家庭用機器であり、商業用機器はわずか 9%、連邦政府が規制している建設機器や農業機器は 11%、その他の機器タイプ (発電機やユーティリティ カートなど) は 3% です。
また、電動式の代替品も性能が向上しています。例えば、80 V 駆動の自走式電動芝刈機と交換可能な 5.0 AH リチウムイオン電池パックは、1 回の充電で約 1 時間作動し、最大 1 エーカーの芝生を刈ることができます。3。また、この芝刈機の交換可能バッテリー パックは、同じメーカーの他の 50 種類以上の芝刈機にも使用できるため、バッテリー パックのコストを複数台に分散させることで、実質的なコストを削減することができます。
最後に、おそらく最も重要なこととして、CARB は、現在の傾向を考慮すると、ロサンゼルス大都市圏で 2031 年までに SORE の排出量が乗用車の排出量の 2 倍になると予測しています1 (図 2)。また、自動車の総排出量が減少する一方で、SORE の排出量は増加しています。自動車の排出量は「コントロールされている」ため、CARB は今こそ SORE の排出量に取り組み、これ以上コントロールできなくなる前に、トレンド ラインを下降軌道に乗せる (そして時間をかけてゼロにする) 時だと考えています。
機会はどこに?
前述の通り、リーフ ブロワー、刈り込み機、縁刈り機などの小型機器の大半はすでに電化されています。これらの機器の完全電動化を終える機会はまだありますが、本当の機会はチェーン ソー、特に芝刈り機用の大型モーターにあります。AB-1346 の採択により、次のような多くの機会が生まれます。
- もちろん、電気モーターです。特に大型のものでは、ブラシレス DC モーターを採用しているものがほとんどです。
- 駆動及び制御用電子機器。軽量で小型なモーター駆動ソリューションが求められています。また、刈り込み機などの小型機器を除き、充電式バッテリーで駆動できることが必要です。
- バッテリー パック、バッテリー管理、及び充電器。これらの機器の多くは、さまざまなリチウムイオン充電池を使用しています。
- すべてをつなぐ、接続ソリューション。駆動部とモーター間の電源バス、交換可能なバッテリー パックのプラグ可能なコネクタ、制御やセンサー用の配線など、接続のニーズは多岐にわたります。
踏み石
カリフォルニア州でも世界でも、この新しい規制が最後となることはありません。多くの人は、AB-1346 が、農業や工業の現場で使われるガソリンやディーゼル エンジンによる機械の大型化への足がかりになると考えています。例えば、空港のタグボートや手荷物運搬機はオール電化、コンテナ ターミナルではヤード トラクターを電化する動きが、すでに出てきています。あらゆるものの電化に向けた次のステップにご期待ください。