DOE の家電及び機器の規格とルール制定
米国エネルギー省 (DOE) は法律により、6 年ごとに各連邦家電製品の規格を見直し、更新の必要性を判断しなければなりません。その場合、ルール案を発表し、2 年後に最終ルールを出す必要があります。昨年は、テレビ、シーリング ファン、エアコン、ヒート ポンプから外部電源、充電器、電気モーターに至るまで、家電製品を対象とした省エネ基準に関する活動や Web セミナーが盛んに行われました。
住宅用電気機器及び業務用機器の規格及び試験方法の策定に関する提言を集め、トピック分野の優先順位を決定するため、DOE 家電規格ルール制定連邦諮問委員会 (ASRAC) は 2022 年 6 月 9 日に公開ウェビナーを開催し、5 年間のルール制定スケジュールの草案を公表しました。立法期限を含むルール制定の全リストは Regulations.gov でご覧いただけます。ASRAC は、DOE の権限のもと 2012 年に設立され、家電製品規格のルール制定に関する問題の解決策を見出すことに重点を置いています。
年に 2 回、十数名の委員で公開の会議を開催し、必要に応じて各種ワーキング グループで議論を続けています。しかし、新たに規制される製品や複雑な状況、または直接最終規則 (DFR) がすべての関係者を満足させる結果を達成するのに役立つ場合、交渉によるルール制定は理にかなっています。このような場合、ワーキング グループを設置し、参加した関係者が誠実に協力して妥協点を見出すことになります。
家電機器規格プログラムは、エネルギー効率を測定するための試験方法を確立し、米国で販売される製品の義務基準レベルを設定するものです。このプログラムは、販売禁止命令、課された民事罰、国境管理などを通じて、これらの基準を強化するものです。また、環境保護庁 (EPA) や連邦取引委員会 (FTC) といった他の連邦機関に対し、それぞれ ENERGY STAR® 試験方法やエネルギー ガイド ラベルに関する支援を行っています。
エネルギー効率化再生可能エネルギー (EERE) 事務局* によると、これらの基準により 2019 年に合計 760 億ドル (1 世帯当たり年間 464 ドル相当) のエネルギーと費用が節約されました。このようなエネルギー代の節約は、家庭用電化製品や機器のエネルギー効率の向上から生まれます。例えば、新しい冷蔵庫は、小売価格のほぼ半分の価格で 15% 以上高い貯蔵能力を持つにもかかわらず、1990 年のものと比べて 44% 少ないエネルギー消費量となっています。同様に、新しい洗濯機は、80% の省エネと 50% の容量アップを実現しています。
*資料: https://www.regulations.gov/document/EERE-2013-BT-NOC-0005-0106