ルーム エアコン向けの省エネ基準に対する DOE の分析
米国エネルギー省 (DOE) は、8 月 5 日にルーム エアコン (AC) 向けの家電製品基準に関する公聴会とウェビナーを開催し、さまざまな評価や予備分析を提示しました。
市場と技術の評価
予備分析の最初のステップは、業界の特徴を明らかにし、必須及び任意の両方の効率プログラムを特定し、出荷時にデータを収集し、効率向上のための技術を調査するために、市場及び技術を評価することでした。
DOE は、ルーム エアコン (AC) を冷却能力、窓用などの要素に基づいて 18 の製品クラスに分類しました。エネルギー効率を向上する可能性がある技術に関して、DOE は以下の 8 つのカテゴリーを調査しました。
- 放熱面の拡大
- 熱伝導の向上
- 部品の改善
- 代替の冷媒
- 設置、絶縁、及びエアフローの改善
- 可変速コンプレッサー、ドライブ ファン、送風機などの部分負荷性能
- 待機電力の改善
- その他
DOE は、筐体のサイズと重量の増加によって、水と空気のエコノマイザーとサクション ライン熱交換器を除外しました。
技術解析
技術解析に対して、DOE は効率を高める設計上の選択肢を評価し、メーカー製造原価 (MPC) 対効率ゲインを吟味して費用対効果カーブを生成しました。製品分解によって、DOE は効率が高まる可能性がある以下の 6 つの設計上の特徴を特定しました。
- 熱交換領域の拡大
- コンデンサー コイル サブクーラー
- 送風機モーターの効率の向上
- コンプレッサーの効率の向上
- 可変速コンプレッサー
- 低待機電力の電子制御
レベル | CEER (BTU/Wh) |
ベースライン | 10.9 |
1 | 11.4 |
2 | 12.0 |
3 | 13.9 |
4 | 17.9 |
DOE は、市場の特性と技術的な実行可能性に基づいて効率レベル (EL) を設定します。現在の DOE 基準に 4 つの EL (EL1、EL2、EL3、EL4) を加えて効率ベースラインを確立して、引き続き CEER (BTU/Wh) の数値より高く維持します。ここに、製品クラス 3 向けの例を示します。
DOE は、EL2 を ENERGY STAR® 認証基準に設定し、EL4 を技術的に実行可能な最高レベルとして設定しています。
メーカーへの インパクト解析
技術解析と並行して、DOE は直接雇用、製品競争、及び製造能力に対する影響の可能性を調べるための予備的なメーカーへの インパクト解析を実施しました。方法としては、メーカーへのインタビュー及び業界のキャッシュ フローと正味現在価値の分析などがあります。
ライフサイクル コストと回収期間を通知し、マークアップ分析によって MPC に基づく消費者価格が決まり、エネルギー使用分析によって代表的な米国の住宅用及び商用消費者の年間エネルギー使用の分布が確立されました。年間エネルギー使用の計算は、冷房モードと待機モードの両方で構成されました。
ライフサイクル コスト (LCC) と回収期間 (PBP) 分析及び出荷分析によって、最終的な国家のインパクト解析が決定されました。製品ライフサイクル全体の総消費者コスト (LCC) 及び運用コストの削減によって製品購入価格の上昇を回収するまでの期間 (PBP) の両方は、エンド ユーザーの視点を提示しました。その後に、DOE はエネルギー効率基準を採用した場合と新しい基準がない場合の出荷を予測しました。EL1、EL2、及び EL3 に対しては、すべての製品クラスにおいて、新しい基準がない場合に対する相対的な市場への影響はなく、EL4 の出荷に対するわずかな影響が予測されました。
基準レベルの確立
DOE は、以上のすべての分析に基づいて影響を考慮するための試験的な基準レベルを確立し、提案された基準レベルを選択する予定です。その後の規制制定段階の一環として、排出量の収益化、公益事業への影響、雇用への影響、規制への影響を含めて、さらに分析を実施する必要があります。新しい必須の省エネ基準に代わる方法として、奨励金、税額控除などの非規制の手段も模索しています。